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2011年5月

2011年5月26日 (木)

私の好きな町:ル・ピュイ・アン・ブレ(フランス)

フランス、ル・ピュイ遠望フランス中部オーヴェルニュ地方を走っていくと、ぽこぽことお椀のような小山をみかけます。
遠い遠い昔に活動を停止した火山の噴火口で、平地にぽこっと立った小山には展望台があったり、中世の山城があったりとドライブの最中も飽きさせません。
そんな小山をクレルモンフェランから南東へ辿っていった終点に、視界が開け、更に小さな小山が3つぽこりと浮かんでいる町にたどり着きます。
ル・ピュイ・アン・ブレ。
サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路起点の町のひとつでもあります。

特徴的なのが、死火山の溶岩峰の上に聳え立つ、1つの礼拝堂と2つの像です。

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2011年5月24日 (火)

思い出の味:テティージャ(スペイン)

ワインがお好きな方ならばフランスのAOCやイタリアのDOCGといった原産地を保証する表記をエチケットに探す方も少なくないかもしれません。
原産地や伝統的な材料や工法を保証するのはワインだけではなく、スペインではチーズやハムといった産物にも同じように製品を保護する制度があります。
チーズの場合にはDOPと呼ばれ、北スペインは緑が多く酪農も盛んなことから色々な種類のチーズがDOPとして保護されています。

スペイン、ガリシアのDOPチーズ、テティージャ今日はそのうちのひとつ、ガリシア地方のDOP、テティージを紹介します。
テティージャの名前はこの円錐形の形から来ていて、「ちいさいおっぱい」という意味。
直径15センチくらいの円錐形を前に、小さくないよ~と思うのはアジア人くらいかもしれませんが、特徴的な形と名前は一度聞いたら忘れられません。
スペインチーズは山羊や羊の乳を使用したものも多いのですが、このテティージャは牛乳を使っていますので、日本人の口に合うタイプのチーズだと思います。

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2011年5月19日 (木)

北スペインのガウディさん(3)~コミージャス~

北スペイン、コミージャスのエル・カプリッチョ北スペインにあるガウディ作品で、おそらく一見してガウディ!!といわれそうなのは、このコミージャス近郊のエル・カプリッチョ(奇想館)でしょう。
先史時代の壁画で有名なアルタミラ洞窟の西、ビスケー湾に面したコミージャスは19世紀にスペイン国王アルフォンソ12世をコミージャス候アントニオ・ロペス・ロペスが招いて以来の避暑地です。
海岸線にはビーチ、丘の上には様々なお屋敷が並びます。

そんなお屋敷のなかで群を抜いて大きなコミージャス侯爵邸のお隣にたっているのがエル・カプリッチョ。
1883~85年にかけて、マキシモ・ディアス・キハーノの夏の別荘として建てられました。

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2011年5月17日 (火)

北スペインのガウディさん(2)~アストルガ~

前回に引き続き、ガウディ作品の紹介です。
今回の舞台はアストルガ。

レオンからは西へ50キロ強行ったところにあり、サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路で言えば2日行程。
また西スペインを南北に走る、古代ローマの銀の道沿いに位置し、古代より交通の要衝として栄えた街です。
以前ご紹介しましたマンテガタなどの名物もあります。

スペインアストルガの大聖堂と司教館さて、このアストルガの町の中心にローマ時代の城壁の跡等があります。
旧市街の中心に聳え立つのが大聖堂(写真左)、そしてその向かいには司教のための館(写真右)が建っています。
(この日はいい感じに虹が出ました)

ガウディが手がけたのが、このアストルガの司教館。
しかし、司教館として設計されたものの、一度も司教館としては使われていません。

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2011年5月13日 (金)

北スペインのガウディさん(1)~レオン~

モデルニスモ建築の巨匠、アントニオガウディ。
多くの日本人が手掛けたサクラダ・ファミリアやグエル公園、グエル邸などバルセロナに残した作品は著名ですが、北スペインを旅していると意外なところでガウディの作品に出会います。
今回は、北スペインの旅で出会うガウディ作品にスポットを当ててご紹介したいと思います。ガウディ設計、レオンのボティーネス邸

トップバッターは旧カタルーニャ・レオン王国の都、レオンから。
サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路や、古代ローマ時代の遺跡もあり観光ポイントが盛りだくさんのレオンですが、街の中心に聳えるゴシック様式の大聖堂から、ダウンタウンへ向かうメインストリートが広くなったところに、ガウディの作品である「ボティーネス邸」があります。

設計は1891年、製作は92~93年。
ボティーネス邸というのは通称で、ボティーネス氏とオムス氏という2名が共同で設立した会社の2代目である、オムス氏の義弟フェルナンデスとその共同出資者アンデレスのオフィス兼住居として設計された建物です。
フェルナンデス&アンデレスの取引相手にガウディのパトロン、エウセビオ・グエルがおり、設計にあたりガウディが推薦されたようです。

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2011年5月 6日 (金)

旅のお供に:帚木蓬生『薔薇窓』

旅のお供の本、今回はパリに行きたくなる一冊です。
帚木蓬生『薔薇窓』

帚木氏の作品は、以前にも紹介しましたが、本作の舞台はパリ。
時は1900年、万博開催に沸くパリの街中で外国人女性の連続失踪事件が起こる…
主人公は警視庁特別医務室に勤める精神科医。
彼もまたストーカー被害に遭いながらも、仕事の立場上事件の真相追求にも関わっていくようになり…
と、あらすじを抜粋しますとミステリーの匂いがむんむんですが、何よりもお話の舞台、1900年のパリの描写が本当に素敵なんです。
街や食べ物、人々の表情までイメージでき、パリに何日も滞在し、ガイドブックではなくこの本を片手に街を歩きたくなるほどです。

また、主人公ラセーグの叔母が暮らすル・ピュイの町も、鄙びた信仰の町の美しさがとてもやさしく描かれています。
大聖堂の大階段を降りたメインストリートに軒を連ねるレース売りのおばあちゃん達に、こんなお話が日本にあるよ!と教えてあげたくなりました。

タイトルの薔薇窓の美しさは、各地の教会で見てきたステンドグラスの窓の美しさをイメージ。レオンやシエナの薔薇窓、ノアン・ヴィックの分厚いステンドグラス等など…
思い出と想像を混ぜ合わせながら読むのにお勧めです。
(山岸)

>フランスの旅はこちら

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2011年5月 2日 (月)

【共通テーマデー】私の好きな山~ピレネーの山々~

好きな山、と聞かれて特定の「山」を挙げるのは難しいですね。
山脈や山塊が多く、丘陵地帯も多いですし、何より日本と異なり一つ一つの峰に名前がないピレネー山脈。
あえて言えば、ピレネー全部とそれに連なる低山となってしまうのでしょうが、特に好きなのはピレネーの中心、アンドラ公国からガヴァルニー圏谷のあたりです。
夏はハイキング、秋のハンティング、冬のスキーと山リゾートとして開発されてきたピレネーですが、他方フランススペインの国境線が山頂に引かれるまでは、カタルーニャやアキテーヌなどの国々がせめぎあい、文化的にも多様で実に興味深い土地です。

フランス、ガヴァルニー圏谷ハイキングそんなピレネーからさらに好きなものをいくつかご紹介いたしましょう。

1)ガヴァルニー圏谷
圏谷(カール)というのは、かつて氷河の根元に当たる氷塊があった場所です。
山であったところに氷河があって、その重みですり鉢状に山がえぐれ、古代劇場のような形の谷を形成しています。
ここからかつて氷河が侵食して造った深い谷が大西洋ビスケー湾に向けて進んでいます。今でも。スペインとフランスの国境である山頂から流れ出た雪解け水が、ヨーロッパ最高の落差422メートルの滝となって谷底に注ぎ、そこから川となって流れ出しています。フランス、ガヴァルニー村
この谷底の広くなったところに村があり、村に泊まって過ごす時間が大好きです。
(ガヴァルニー村の紹介記事はこちら
日帰り観光客がいなくなり、ひんやりとする夕暮れに、ごうごうという川の音
馬や牛のいななきが聞こえる以外は、静かで静かな夜がやってくるのです。
(上の写真はハイキングはじめの様子、左は夕暮れの村の様子です)

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