北スペインのガウディさん(2)~アストルガ~
前回に引き続き、ガウディ作品の紹介です。
今回の舞台はアストルガ。
レオンからは西へ50キロ強行ったところにあり、サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路で言えば2日行程。
また西スペインを南北に走る、古代ローマの銀の道沿いに位置し、古代より交通の要衝として栄えた街です。
以前ご紹介しましたマンテガタなどの名物もあります。さて、このアストルガの町の中心にローマ時代の城壁の跡等があります。
旧市街の中心に聳え立つのが大聖堂(写真左)、そしてその向かいには司教のための館(写真右)が建っています。
(この日はいい感じに虹が出ました)
ガウディが手がけたのが、このアストルガの司教館。
しかし、司教館として設計されたものの、一度も司教館としては使われていません。
1866年に司教に着任したグラウ司教ですが、同年暮れに司教館が火災にあったため、再建の設計を同郷であったガウディに依頼しました。
翌87年に設計され、89年に司教館は着工されましたが、グラウ司教が93年に他界してしまうと、後任の司教や教会組織がガウディの設計を認めず、ついにガウディは建設半ばでこの物件から手を引いてしまいます。
その後、別の建築家の手によって司教館は完成されますが、ガウディの設計図には忠実でなかったようで、ガウディ作品にしてはシンプル?と私は感じてしまいます。
しかしながら、教会権威のトップである歴代の司教さんたちは、ちょっとメルヘンチックでディズニーランドに置いても違和感がなさそうなこの建物に暮らすのは恥ずかしい…といって自分たち好みの建物を別に建ててしまったのでついぞ「司教館」として使用されることはありませんでした。
現在は巡礼路沿いの町らしく、巡礼関係の博物館になっています。
ガウディらしさとそうでない部分とがない交ぜになったアストルガの司教館。
アストルガのバス停目の前にありますので、町にお立ち寄りの際には外観だけでもご覧になってみて下さい。
(山岸)
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