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2011年8月

2011年8月30日 (火)

床モザイクにご注目!(イタリア).

トラの敷物モザイク-チュニス、バルドー博物館蔵小さな石やガラス片を並べて描くモザイクの歴史は古く、ガラスを発明したエジプトや、自然石で美しくモザイクで遠近感のある絵を描いた古代ギリシャ、ローマとその技法は花開き、キリスト教が浸透し、モザイクが教会を飾るようになると、それまで床を彩っていたものが、壁にかけられ、天井を彩るようになりました。
そう、モザイクはそもそも床に絨毯のように敷かれていたものです。
そのため、痛みが激しく、現存しているものも損傷がかなりあります。
例えば、写真はチュニジアの首都チュニスにある、モザイクコレクションでも有名なバルドー美術館(現在修復のため一部のみ公開)にあるモザイクですが、
トラの敷物、、モザイク版。暑い夏もこれならゴージャスな気分を味わえそうな一枚ですが、残念なことに手足の大部分が剥落してしまっています。
よく踏んづけられる所だったのでしょうか。。

さて、ローマの後、モザイク文化が大きく花開いたのが東ローマ、ビザンツ世界においてでした。

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2011年8月26日 (金)

旅のお供に:アーヴィング・ウォーレス『イエスの古文書』

1983年に『「新聖書」発行大作戦』というタイトルで、世界的ベストセラーを飛ばした作品の改題・編集作。

ある日、アメリカの広告業界で活躍主人公のもとに舞い込んだ、世界をひっくり返す「新しい福音書」発見のニュース。
そして、それを元に極秘裏にすすめられる「新聖書」発行プロジェクトへの誘い。
アメリカからオランダ、イタリアへと舞台を転じ、聖書発行を妨害する組織との攻防をへて、果たして「新聖書」は刊行されるのか、そして世界はそれをどう受け止めるのか……。

ブラウンの『ダヴィンチ・コード』に先立つこと約30年前!に書かれた物語。
改題しても時代背景はそのままなので、通信事情や交通手段など、ちょっとノスタルジックな表現も多いですが、そこはまあ、お含み置きいただいて…アナログな世界観を楽しみながら読んでいくとおもしろいですよ。

クライマックスは賛否分かれる所でしょうが、それもまた聖書やキリスト教をテーマとした小説ならでは、というところでしょう。

具体的な地名が随所に出てきますので、記憶とリンクさせながら読むのが楽しい作品のひとつです。
(山岸)

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2011年8月25日 (木)

教会と猿(フランス)

しばらく更新が滞ってしまい申し訳ありません。
盆の時期はウガンダの添乗に行っておりました。
ウガンダの旅の第一の目的は、世界で700頭前後しかいない野生のマウンテンゴリラに会いに行くこと。
(マウンテンゴリラを飼育している動物園はないはずなので、実質、彼らに会うといったら野生のものしかいないのですが)
他にも、チンパンジーやヒヒやサバンナモンキーなど、哺乳類の中でもたくさんのかわいい猿と出会う旅でした。

さて、スペインやフランスの旅で、猿を探そうと思うとジブラルタル海峡の野猿が有名ですが、教会内でも探してみると猿をモチーフにした彫刻類があったりします。
しかし、人間の顔を醜悪に描いただけのものもあり、判別が難しく、猿のようなもの、といった方が適切かもしれません。
探してみるといくつかありましたのでご紹介いたしましょう。フランス、サン・パリーズ・レ・シャテル「サン・パトリック教会」

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2011年8月18日 (木)

フランスのぶらぶら町歩き(ポワティエ)

フランス、ポワティエ旧市街先日、フランスのポワティエという町に行ってきました。

フランスの地図で見ると、ちょうど真ん中からやや左側の大西洋の方向に寄ったあたり、
西部に位置している、人口10万人ほどの小さな町です。
ここはポワティエ大学とロマネスク時代の教会がある町として知られています。

町の中心の市場(大聖堂)広場から歩き始めると、広場のベンチやカフェのテラス席には若者の姿が多く、若々しい明るさが感じられます。道行く人々の足並みも軽く、本を抱えた人々が行き交い、学生の町であることを実感します。

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2011年8月16日 (火)

スペインにはワインだけでなくカヴァもある

イタリアの発泡ワイン「Bella_vistaのcuvve」最近、スパークリングワインという言葉が定着してきました。
今回ご紹介するスペインのカヴァはこの「スパークリングワイン」に属しています。

では、スパークリングワインとシャンパンの違いは何でしょうか。
簡単に言うと、シャンパンはフランス・シャンパーニュ地方で伝統的な醸造法で作られたものを「シャンパン」といいます。それ以外が、スパークリング(発泡)ワイン。
イタリアのアスティ・スプマンテやロンバルディア地方のフランチャコルタ(写真)などもそうです。

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2011年8月10日 (水)

マドレーヌとラザロ~その2(フランス・スペイン)

フランス、オータン、サンラザーロ教会さて、前回ヴェズレーにもたらさえれた聖女マリア・マッダレーヌの聖遺物の話をしましたが、由緒ある聖人の、ご利益のある(お参りして病気が治ったり、戦争に勝利したり、天候がよくなったりect)聖遺物があるとなると、その教会、ひいては教会を持つ街は巡礼者で賑わい、経済的にも潤います。
教会が大きくなり信者が集まれば、更に教会としての権威も高まっていきます。
それをみて冷静でいられないのが近所の他の教会。
ヴェズレーのサンタマドレーヌで言えば、同じ巡礼路沿いにあったオータンのサン・ラザロ教会がそれです。

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2011年8月 4日 (木)

マドレーヌとラザロ~その1(フランス)

カラヴァッジョの「悔悛のマグダラのマリア」貝の形をしたかわいいお菓子、マドレーヌ。
発案者の女性の名前を取って付けられたといわれますが、その元となったのは聖女マリア=マッダレーヌ、日本ではマグダラのマリアで通っている聖女です。

マグダラのマリアは聖書に記述されている以上に、外伝や偽伝に多くの話が盛り込まれ、最近のミステリーでも多くの性格づけをされています。
絵画のモチーフとしても良く選ばれています。
(写真はカラヴァッジョの「悔悛のマグダラのマリア」)

彼女は、正教会では、キリスト昇天後は聖母マリアたちとエフェソで暮らし、その地に没したとい割れていますが、カトリックでは、キリスト昇天後、姉のマルタ、弟のラザロ(ラザロの復活のラザロさん)とともに、南仏に布教または隠遁のため渡ってきたといわれています。

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2011年8月 1日 (月)

【共通テーマデー】わたしの中のヒロイン~ジョルジア・ボスコロ~

イタリア、ヴェネツィアのゴンドラ最近は暗いニュースも多かったので、先日の女子サッカーワールドカップ優勝のニュースは久々に熱くなりました。
同じ女性として世界で活躍する女性達の話を耳にすると「みんな頑張っててすごいなぁ」と、ただただ関心するばかりです。
でも「初の女性○○」と言われると、「どうしてその世界に入ったの?きっかけは?どんな苦労がありますか?仕事仲間はみんな男性ばかりでガールズトークが出来ないのでは?」などなど、とどんどん興味が湧いてきます。

最近私が注目しているのは2009年にヴェネツィア史上初の「女性ゴンドリエーレ」に認定されたジョルジア・ボスコロ(Giorgia Boscolo)さんです。

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