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2011年8月10日 (水)

マドレーヌとラザロ~その2(フランス・スペイン)

フランス、オータン、サンラザーロ教会さて、前回ヴェズレーにもたらさえれた聖女マリア・マッダレーヌの聖遺物の話をしましたが、由緒ある聖人の、ご利益のある(お参りして病気が治ったり、戦争に勝利したり、天候がよくなったりect)聖遺物があるとなると、その教会、ひいては教会を持つ街は巡礼者で賑わい、経済的にも潤います。
教会が大きくなり信者が集まれば、更に教会としての権威も高まっていきます。
それをみて冷静でいられないのが近所の他の教会。
ヴェズレーのサンタマドレーヌで言えば、同じ巡礼路沿いにあったオータンのサン・ラザロ教会がそれです。

フランス、オータン、サンラザーロ教会のタンパンあっちがキリストの復活に立ち会ったマグダラのマリアならば、こっちはキリストによって復活させられたマリアの弟ラザロだ!ということで、選ばれたのは聖ラザロ。
姉とともに、キリスト昇天後南仏で布教した伝説もあり、適任だったのでしょう。
12世紀、聖ラザロの遺骨を奉じ、ヴェズレーノサンタマドレーヌと時を同じくして現在のサン・ラザロ教会が建立されました。
近隣の美術館収蔵のものも含め、テーマが分かりやすく保存状態の良い彫刻や、最近洗浄されて綺麗になったファサードのタンパンや美しい彫刻が有名です。

スペイン、サン・フラン・デラ・ペーニャたくさん彫刻のある教会ですが、ラザロその人の姿は、なかなか見つかりません。
かわりに、お隣スペインノサン・フアン・デラ・ペーニャ教会の柱頭彫刻にラザロの復活の分かり易い例がありますのでご紹介します。
手前にキリスト、奥には姉たち。
そして真ん中でぐるぐる巻きで横にされているのがラザロ。
これから復活するところです。
(山岸)

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