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2012年1月18日 (水)

悪魔にょろにょろ(スイス、イタリア)

スイス、ツィリス/サン・マルティン教会の悪魔祓い ロマネスクの旅で見かけて「お!」と思うモチーフは色々ありますが、最近個人的に注目していますのが“悪魔祓い”のシーンです。

病気や欝のような精神病、不道徳をもたらすと考えられていた悪魔。
この悪魔を患者から追い出すのが、聖人たちの力の証明のひとつともいえました。
映画「エクソシスト」みたいにグロテスクな感じがしないので、
ロマネスクの表現は見ていてほっとします。

スイス、ツィリス/サン・マルティン教会の悪魔祓い さて、最初の写真は、スイスのツィリス、サン・マルタン教会の天井に画かれたパネルから。
キリストの生涯の一場面で、悪魔に取り付かれ髪を振り乱した男性をお払いするところです。
キリストに命じられ、悪魔が男の口から煙のように出て行きます。
そして隣のパネルにいた豚に取り付き、豚ごと崖下に飛び込んでいってしまいます。(豚がかわいそう…)
写真が不鮮明で恐縮ですが、口から出て行く悪魔は蝿のような羽を持った悪魔が飛び出しています。
イタリア、モデナの大聖堂「聖ゲミニアヌスの悪魔祓い」
飛び出す悪魔がはっきり見えるものを探していましたら、
イタリア、モデナの大聖堂の彫刻を発見。
聖ゲミニアヌス伝説より、コンスタンティノープルの皇女に取り付いた悪魔を取り払う聖人図。
皇帝に抱えられた皇女に出てけっ!っと指を突きつける聖人。
その口からはぼわわわ~んと可愛らしい悪魔が飛び出てきました。
悪魔なのに羽は天使の羽みたい。
無表情の皇帝に比べ、ハラハラした顔で娘を心配する皇妃もいい。

モデナはもうイタリアの旅で行ったよ!という方も多いと思いますが、
彫刻だらけの大聖堂で、細かい所まで見ていく時間はなかったのではないでしょうか?

今年新たに発表した中部イタリア・ロマネスク紀行 10日間では、トスカーナ等の小さな教会とあわせ、ロマネスクに開眼?する前に通り過ぎてしまったであろう町々もツアーに組み込みました。
こんなかわいい彫刻があったなんて!と、モデナで撮った写真を思わず調べた方は、是非このコース、ご検討下さい。
(山岸)

>イタリア・ロマネスクの旅はこちら

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