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2012年3月 8日 (木)

受胎告知色々(フランス)

フランス、シャリテ・シュル・ロワール「ノートルダム教会」

前回の更新で百合の花と受胎告知のお話を致しましたが、
例に挙げたのは古代ギリシャとルネサンス期の絵でした。
さて、では我らがロマネスク美術における受胎告知はどんな姿だったのでしょうか。

時代と場所によるのですが、大雑把に別けると2パターン。
マリア様が椅子に座っているか立っているか。
初期キリスト教芸術では、ヘレニズムの流れを汲んでいるのが椅子に座って粛々と天使の言葉を受け入れている聖母を
エルサレムからシリアへ発展した様式は、手仕事をしていた聖母が立ち上がり、天使の言葉を聞いています。
中世の初めには2つの様式は互いに影響しあい、混ざり合い、両方の系統の写本や装飾品が入ってきていたフランスの教会では、更に各工房のアレンジが加わります。

(写真は、フランス、シャリテ・シュル・ロワール「ノートルダム教会」タンパンの受胎告知。
聖母の後ろに直前まで座っていたのであろう椅子が描かれています。)

フランス、ポワティエの「ノートルダム・ラ・グランド教会」

ポワティエの「ノートルダム・ラ・グランド教会」に描かれている受胎告知は、
手先が剥落していて分からないのですが、
この天使はてに何を持っていたのかなと想像するのが楽しい。

方膝をついていてドラマチック!
マリア様の胸の前で手を組むようなポーズも少女的で愛らしい。
アシンメトリーなスカートの襞もすてき。

ノアン・ヴィックのサン・マルタン教会

一方、ポワティエからはそう遠くない、ノアン・ヴィックのサン・マルタン教会の受胎告知はフレスコ画です。
左側は覚えのない子を身ごもったマリアと彼女をとがめる町の人々。
黒いフードをかぶっているのがマリアですが、大勢で指差す町の人におびえた仕草。トリミングで見切れていますが、町の人は彼女の後ろにも描かれていて、取り囲まれてる感じが、怖い。
右半分が受胎告知ですが、町の人と対照的に、力強く彼女にお告げにきました。
マリアさんがなんだかほっとしてるように見えるのは私だけでしょうか

フランス、ショーヴィニーのサンピエール教会

最後に、同じくポワティエ近郊のショーヴィニーのサンピエール教会より。
まず、左右立ち位置が逆転していて、おっと思うのですが
大きなガブリエルの右手には十字架が握られていて珍しいですね。
右手で掲げて左手で指差しています。
翼の描き方やマリアさんの足のそろえ方など細部まで
逆台形のキャンバスにあわせて彫刻されていて、逸品!とおもう受胎告知のひとつです。

そういえば、ロマネスク教会で見てきた受胎告知ではあまり「花」の存在に気づいた事はありませんでした。
歌舞伎の見得のように、指や手の仕草で感情を表現していた部分があるせいかもしれません。。
花をもって受胎告知のガブリエルさんも、引き続き探してみたいと思います。

(山岸)
>フランスロマネスクをめぐる旅はこちら

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