【共通テーマデー】私の好きな水のある風景(南イタリア)~飛び込むのはもちろん・・・水の中!?
このパエストゥムでの見どころの一つに、ネクロポリ(墓域)から発見された石棺の一部があります。
これは「飛び込む男」と呼ばれており、石棺の蓋の内側にフレスコ画が描かれています。
単純に見ると、右側の白い石を積み重ねたような飛込み台から、左下から盛り上っているように見える水の中へ男が飛び込んでいるように見えます。
もしかしたら、石棺に埋葬されている人物は男性で、生前の職業はスポーツの飛び込み選手、もしくはパエストゥムは海の近くなので、ダイバーだったのかも知れません。
(古代に飛び込み選手、ダイバーという職業があったかどうかはわかりませんが・・・。)
これは現在でも一部の国で見られる生前の姿や職業などを墓石に掘り込む習慣と同じです。
一方で異なる見方をすれば、白い飛び込み台が現世と死後の世界の境目で、「右側の現世から左側の死後の世界への旅立ち」と見たり、更には「右側が冥界(木の枝が力なく萎れている)から、現世(左下から盛り上っているのが生命の世界)へ大復活する」という見方もあります。
どちらにしても、死者の世界と現世を表す、宗教的なメッセージが込められているのかも知れません。
文字による記録が一切残っていないので、推測するしかありません。
僕はどう見ても水の中に飛び込むようにしか見えませんが・・・。
飛び込んでいく先は、どうやら「水」だけではないようです。
今も我々を悩ませ続ける、謎の古代石棺。
余計なものが一切描かれていない、シンプルな作風。
絵をじっと見つめていると、霊的な静けさも伝わってきます。
彼らの発想の豊かさからは、古代の大らかな雰囲気も感じます。
イタリアに移り住んだ、古代ギリシャ人は一体何を伝えたかったのだろう・・・。
(上田)
【共通テーマデー「私の好きな水のある風景」】
〔倶楽部ユーラシア編〕~ミャンマー~
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〔パゴタの国からミンガラバー編〕~ミャンマー~
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