【共通テーマデー】世界のマーケットで見つけた秋の気配(フランス)
今月のテーマは「秋のマーケット」。
「秋の市場」と聞いて、真っ先に頭に思い浮かんできたのはキノコでした。
秋の欧州で最も印象深かった地域は、秋に何度も訪れたフランスの南西部。
フランス南西部の地域は一般的なフランス周遊のコースには含まれていないことが多く、鄙びた小さな街々が中世の雰囲気そのままにひっそりと点在しています。
10月の秋に差し掛かると山々の木々や葡萄畑が黄葉し、田園風景や街並みは一変します。夏に大きな葉をひるがえして憩いの日陰をつくっていた大通りのプラタナスの葉は全て落葉し、寒風吹きぬける秋からは一転してポカポカの日当りを提供するようになりました。
このフランス南西部で立ち寄った町がサルラでした。
旧市街には鄙びた建物がひしめき合うようにギューッと密集しており、歪んだ屋根や湾曲した窓枠、苔生した石壁など14~15世紀の中世の雰囲気がそのまま残っています。
サルラの市場には地元で採れたかぼちゃやにんじん、赤ピーマンなど様々な野菜や果物が並んでいます。どの野菜も形も色も不揃いですが、見た目にも新鮮で力強く育ったどっしり感があります。
その中にありました、ありました秋の代表選手キノコ。
それも特大、いや巨大キノコ。
ジャイアントキノコの看板は市場の中では一際目立って採れたてのキノコをアピールしています。
このペリゴール地方のキノコは特産のフォアグラ、秋に豚を使って土中から掘り出すトリュフといった高級食材と肩を並べるほど有名で薫り豊かなセップ茸です。
しかも庶民的なお値打ち価格。
誰でも気軽に味わうことができます。
イタリアでは「ポルチーニ」、日本では「ヤマドリ茸」と呼ばれていて、味はあまり無いけれど、歯応えがしっかりしていて薫りも豊か。口の中で噛みしめるとジュワーッとキノコのエキスが溢れ出てきます。
まるで周辺に広がる樫の森の空気が濃縮されているようです。
このセップ茸を味わうにはオムレツがお勧めです。
できるだけ鄙びた食堂を探してください。
旧市街の狭い路地裏には、小さな老舗の食堂が今でも数軒ひっそりと営業しています。
地鳥の卵から作った風味豊かなセップ茸のふわふわオムレツは秋の味覚満点です。(上田)
【共通テーマデー「世界のマーケットで見つけた秋の気配」】
〔倶楽部ユーラシア〕世界のマーケット(市場)で見つけた秋の気配(ウズベキスタン)
〔パゴダのくにからミンガラバー編〕世界のマーケット(市場)で見つけた秋の気配(ミャンマー)
〔添乗見聞録〕世界のマーケットで見つけた秋の気配(日本・築地)
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