蘇るローストチキンの伝説
聖書でニワトリ、といえば聖ペテロがキリストの予言の通りに、キリスト捕縛の後3度キリストを「知らない」と言い、師を裏切ったことを鶏の声で知り深く悔悛する―というお話が多いですね。
中世に生まれたと思しき鶏関係の伝説もあります。聖地サンティアゴ巡礼路沿いにある、スペインのサント・ドミンゴ・デ・シロスとポルトガルのバルセロスに伝わる、巡礼の異国の若者が、盗人の濡れ衣を着せられたところ、裁判官や領主の食卓のローストチキンが蘇って彼の無実を証明するという話です。
巡礼路沿いに伝播していったようで、イタリア北部、アルプス山麓にあるカステラッツの聖ジャコモ(ヤコブ)教会の壁にもサント・ドミンゴ・デ・カルサーダの伝説が描かれています(上の写真)
さて、先日帰国した北欧ロマネスクでご案内した、スウェーデンのスカーラの大聖堂にある浮き彫りに、「ヘロデの雄鶏」というシーンがあります。
イギリスに同じような名前の民謡があり、また現地ガイドの説明でも、これはヘロデの鶏。
ユダヤの新しい王の到来を信じないヘロデ王が、食卓の鶏の復活をもってその予言を信じたというものです。(剣を持った男たちは嬰児虐殺のシーンをほのめかしていそう。髭の人はヘロデ王?)
聖書には登場しない物語なので、外伝的に入ってきたのか、復活する鶏の話のルーツがどこかヨーロッパに古くからあったのか。。。特にこれといった説も見つけられなかったのですが興味深いのでご紹介させていただきました。
他の都市や国で類似の物語があればぜひ教えてください。
(山岸)
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