書籍・雑誌

2013年12月11日 (水)

旅のお供に:ダン・ブラウン『インフェルノ』(ユーラシア旅行社のイタリアツアー)

「ダ・ヴィンチ・コード」でおなじみのダン・ブラウンの新作「インフェルノ」の日本語訳版が出ました!
物語の舞台はイタリアのフェレンツェ。
ラングドン教授シリーズの始まり「天使と悪魔」ではローマを縦横無尽に駆け、謎を追いつつローマの見所や魅力がさりげなく文中で紹介されましたが、
今作でも、フィレンツェの魅力が余すところなく紹介されています。

ダンテの「神曲」や今作で紹介されている絵や場所を解説した関連書籍も多数店頭をにぎわせていますので、
あわせてご覧いただくのもよろしいでしょう。

フィレンツェにいらしたことがある方は情景を思い浮かべながら、
まだいらしたことのない方は、1回目は作品に集中して、2回目は解説書や写真集、地図などを片手に読み返してみると楽しいでしょう。

シリーズの前3作をご覧になっていない方も、この作品からでも楽しめるようになっていますのでご安心を~

(山岸)

ユーラシア旅行社のイタリアツアーはこちら

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2013年8月12日 (月)

旅のお供に:池上英洋『神のごときミケランジェロ』

35.5歳。
何のことかといいますと、ユーラシア旅行社社員の平均年齢です。

普段自分や周囲の年齢を意識することは少ないのですが、
最近ミケランジェロの作品を見るにつけ、
各作品を生み出した時の彼の年齢を見、
ついつい自分と比べて愕然とさせられることがつづきました。

来月東京に来る「階段の聖母」は14歳の時のもの
サンピエトロ寺院にある「ピエタ像」は25歳で完成し、
そして33~37歳の頃の彼は、
システィーナ礼拝堂の天井画に筆を走らせていました。

ちなみに、同じ礼拝堂にある「最後の審判」のほうは、
60歳代後半のものです。

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2012年11月30日 (金)

【旅のお供に】金沢百枝・小澤実共著『イタリア古寺巡礼 シチリア→ナポリ』

新潮社のとんぼの本から、『イタリア古寺巡礼 シチリア→ナポリ』、出ました!
おりしもつい半月ほど前に、旅の集いでは中世のシチリアを特集し、シチリアや南イタリアのノルマンの話しをお届けしたところ
とてもするする楽しく拝読しました

表紙のオートラントのモザイクを見ただけでにっこり、なんですが
この近辺は本当に床モザイクの教会が多いですね
ビトントやターラント、他にもあちこち…

前回の記事を初め、南イタリアについては、教会・食事・街等、これまでに色々ご紹介させていてただきました。
ちょっと込み入ったこの地域の歴史(しかも高校くらいまでの世界史の授業ではろくに教えてもらえない!)なので、かわいい教会の写真を見ながら、小澤氏の解説で歴史の流れがわかるこの本はとてもなじみやすいかと思います。

(山岸)
南イタリア・シチリアの旅はこちら

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2012年10月 1日 (月)

共通テーマデー:私のお気に入りの一冊 野尻抱影『星座の話』

今月のテーマは、お気に入りの一冊です。
ロマネスクツアーで訪れるような地域を題材にした本は、これまでも紹介してきましたので、(左側の“書籍”カテゴリーからご覧ください)今日はちょっと変わったものにしてみました。

野尻抱影『星座の話』

もう20年近く本棚に入っている私の愛読書のひとつです。

日本から見える四季折々の星座、その名の由来になったギリシャや日本、中国などの伝説、日本からは見えない南天の星たち、何十年に一度の天体ショー…

一見難しそうですが、野尻氏の軽やかな語り口で、とてもわかりやすく解説されていて、すっと頭に入ってきます。

そうして星座や星のことを知って、あこがれたのはギリシャ世界

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2012年7月31日 (火)

旅のお供に:磯崎新『気になるガウディ』

ガウディや彼の建築に関する本はたくさんありますが、
今回の一冊はちょっと辛口な感じで始まります。

ガウディ嫌い

しかし、そんなドライな目線でみているからこそ、
造詣の奇抜さや、世間と異なることばかりを強調するのではなく、物理学的に合理的な設計を試みたガウディの魅力をとてもわかりやすく伝えてくれます。

たくさんの美しい写真(もちろんカラー)と個々の建物のバックグラウンドを読み進めていくと
とにかく、そこに行ってみたい!という気持ちが高鳴ります。

彼の作品が集中しているバルセロナやスペイン・カタルーニャ地方を旅する方、旅した方必見です。

ちなみに、本書では取り上げられていませんが、スペインの他所にあるガウディ建築のいくつかは、過去にこのブログでもご紹介していますので、「北スペインのガウディさん」シリーズも合わせてお楽しみください。

(山岸)

バルセロナ滞在の旅など、スペインのツアーはこちら

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2012年2月27日 (月)

旅のお供に:浦一也「旅はゲストルーム」

旅行の目的は?

という質問に、多くの方は観光地や自然、郷土の祭りや料理、地元の人々とのふれあいといった回答を下さいます。

しかし、そこに、「ホテル」と答える方も少なからずいらっしゃいます。
もちろん、パラドールや古城ホテル、宮殿ホテルのような、宿に泊まることが楽しみな旅もありますが、本書のように、泊まったホテルを実寸したおし
その裏にある、設計士たちの苦労や意図を読み解こうとする旅のしかたは、なかなか珍しいのではないでしょうか。

だからこそ、スケッチいっぱいのこの本、いろんなホテルの裏側が透けて見えるようでおもしろい。

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2011年12月21日 (水)

旅のお供に: ケン・フォレット 『大聖堂』 (上・中・下巻)

昨年の9月にろまブログで堀田善衛「路上の人」という本をご紹介しました。
(これも是非読んでください)
13世紀フランスのラングドック地方を舞台にした異端カタリ派の人々を描いた作品で、一般の民衆側からの視点で教会を見ることのできる作品です。

今度は角度を変えて、教会を建てる建築家(棟梁)や石工、大工などの視点から教会や中世を見ることのできる小説です。

舞台は12世紀のイングランド。
キングズブリッジという架空の町に建築される大聖堂を中心としてストーリーが展開され、教会勢力や王侯貴族、一般庶民や建築家達の生活など中世のイングランド、ヨーロッパ世界の雰囲気を味わうことができます。
陰謀説が流れるホワイトシップの遭難やカンタベリ大司教の暗殺といった、大きな歴史のうねり、あらゆる困難を乗り越えながら、紆余曲折を経て大聖堂の建設が進んでゆくのです。

また、建築家の視点から見たロマネスク建築からゴシック建築へ移り変わる時代背景、技術的な描写もありますのでろまファン必読です。

実はこの「大聖堂」、2010年にドラマ化され、日本でも2011年に放映されています。
なんと、新年2012年1月22日(日)からNHK BSプレミアムで深夜~6夜連続一挙再放送(全8回)が決まっています。
詳細はこちら↓
NHK BSプレミアム 「大聖堂」 再放送予定

ご興味ある方は小説と共にご覧下さい。(上田)

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2011年9月22日 (木)

旅のお供に:金沢百枝・小澤実『イタリア古寺巡礼』

新潮社・とんぼの本からシリーズで出ている金沢百枝・小澤実共著の『イタリア古寺巡礼』。

イタリアの旅は何年か前に行ったけど、その時はロマネスク(の実力)なんて知らなかった…という方がけっこういらっしゃるようで、再訪のお供になること間違いなし。

ロマネスクはもちろん、中世美術に焦点をあてていますので、ロマネスクに連なるビザンツの傑作の紹介もあり、前後の関係を見ながら読み進めるのも楽しいでしょう。
もちろん、これから初めてイタリアに行く方も、是非ご参考になさってみては?
イタリアの旅では、古代とルネサンスが強調されがちですが、中世が分かると本当に面白さがぐっと深まります。

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2011年8月26日 (金)

旅のお供に:アーヴィング・ウォーレス『イエスの古文書』

1983年に『「新聖書」発行大作戦』というタイトルで、世界的ベストセラーを飛ばした作品の改題・編集作。

ある日、アメリカの広告業界で活躍主人公のもとに舞い込んだ、世界をひっくり返す「新しい福音書」発見のニュース。
そして、それを元に極秘裏にすすめられる「新聖書」発行プロジェクトへの誘い。
アメリカからオランダ、イタリアへと舞台を転じ、聖書発行を妨害する組織との攻防をへて、果たして「新聖書」は刊行されるのか、そして世界はそれをどう受け止めるのか……。

ブラウンの『ダヴィンチ・コード』に先立つこと約30年前!に書かれた物語。
改題しても時代背景はそのままなので、通信事情や交通手段など、ちょっとノスタルジックな表現も多いですが、そこはまあ、お含み置きいただいて…アナログな世界観を楽しみながら読んでいくとおもしろいですよ。

クライマックスは賛否分かれる所でしょうが、それもまた聖書やキリスト教をテーマとした小説ならでは、というところでしょう。

具体的な地名が随所に出てきますので、記憶とリンクさせながら読むのが楽しい作品のひとつです。
(山岸)

>ヨーロッパへの旅はこちら

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2011年7月 5日 (火)

旅のお共に:五木寛之『スペインの墓標』

昨今のニュースのおかげで「九州男児」の評判がずいぶん下がってしまった気がします。
福岡生まれの“九州女子”としては、ここは九州男児のお株を上げておかなくては…ということで、箒木蓬生に続き(『白い夏の墓標』『薔薇窓』を紹介しました)、本日は郷里の作家五木寛之氏の作品からひとつご紹介したいと思います。

先日文庫本が刊行されました、海外とリンクする短篇集『スペインの墓標』から、表題作「スペインの墓標」です。

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