墓地で凧揚げ!グアテマラの死者の日
みなさんこんにちは。凧揚げよりかはやっぱりゲソ揚げ、高村“新型2階建て凧発表”陽子です。
今日は先日のメキシコの死者の日に続いてグアテマラの死者の日について書こうと思います。
死を近い存在と考えるのはメキシコだけではありません。アステカもそうですが、マヤやインカでも同じような死生観がみられます。
アンティグア近郊のサンティアゴ・サカテペケスという町では、死者の日に墓地で大凧揚げをします。凧は、この世と天上界にいる先祖をつなぐコミュニケーションツールで、先祖は凧に乗って降りてくると考えられているんだそうです。日本の凧揚げは、もともと男子の誕生を祝ったり、子供の健やかな成長を祈ったり、子供たちが願い事を天に届くように書いていたり、また吉凶の占いのために揚げられたりしていますが、それらとはちょっとニュアンスが違うようです。また形も日本で多く見られる角型の凧ではなくたいていは丸型のものを揚げます。
さてこの大凧、骨組みは竹で、祭の前に若い男性が海岸に近い地域から切って持ち帰ります。昔は、交通機関も発達していませんでしたので、(今もそんなに便利なところではありませんが、、、)大人になるための通過儀礼的な要素もあったそう。そして、目をひくのが大凧のカラフルな色合い。色のついた小さな紙をたくさん貼って作られますが、マヤの織物のようなその色彩は本当に“美しい”のひとこと。まるで万華鏡で見る柄のようです。インディヘナの人の民族衣装もそうですが、グアテマラでは豊かな色彩感覚に感心させられることが多いのです。
この凧が有名なのは、色の美しさだけではなく、なんといってもその大きさでしょう。子供の凧と大人の凧があって、大人用はだいたい直径が5mを越えますし、特大サイズになると15mにもなります。巨大な凧は揚げるのももちろん一苦労。ほどよいサイズの2~3m級のものが一番よく揚がるようで一度風に乗るとゆうに2~30分揚がっています。小型の凧は墓地の近くで売られていますので、地元の人に混じって参加することもできます。(ただし墓地の中を走り回らなければなりませんが。)でも、「きれいな凧だな~」とか「うまく揚がってるな~」などと思いながら上ばかりに気を取られていると、おもわずお墓の上を踏みつけていたなんてこともしばしば。でも、ご先祖様は凧の上に乗っていらっしゃるので、お墓を踏みつけてもバチはあたらないそう。「なるほど」と感心していると、そばで大きな凧がバランスを崩して落下。上に乗っていたご先祖様も、さぞやスリリングな着地だったことでしょう。飛行機だったら確実に酸素マスクが落ちてくるような場面。ご先祖様に怪我はなかったのかな。いや、心配するべきは大凧の安否。帰りの交通手段を失ってしまったら、大変です。まあでもグアテマラの人なら、帰る時間を気にせず、すでに凧に乗り遅れちゃってるご先祖様も周りにたくさんいるんじゃないだろうか。年に一度しか運行されない乗り物だけに、トラブルはつきものに違いありません。(高村)
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