熱帯なのに暑くない!?コスタリカの熱帯雲霧林
コスタリカは北緯8~11度(インドの南部あたりと同じ)で、地理的には熱帯に属していることもあって「暑いんじゃないの?」と思われがちですが、決してそんなことはありません。例えば首都のサンホセは標高1,150mにありますので、年間の平均気温も22.5度。真冬や真夏がないどころか、年間を通じて最高気温も最低気温も大きく変わらない“常春の街”です。
このサンホセから車で4~5時間ほどのところに、熱帯雲霧林が広がるモンテベルデがあります。このあたりはサンホセよりもさらに標高が高く約1,300m前後あります。国土が細長いコスタリカにあって、モンテベルデも海からさほど離れていないこともあり、太平洋から湿気たっぷりの空気が流れ込んでくるのですが、標高が高いために冷やされて霧や雲になります。モンテベルデが常に霧に覆われているのはそのためです。
ジャングルのように木々が生い茂っているモンテベルデは、熱帯雲霧林ならではの特徴があります。それは、コケ類やラン類などの着生植物が多いことです。地面から見ると、上には大木の枝や葉がたくさん。日光はなかなか下まで届きません。着生植物は、大木に場所を借りて、より日の当たりやすい上へ上へと伸びていきます。だから、枝の上へ行けば行くほど着生植物が多くなります。雨が降らなくても、また土から水を吸い上げられなくても、霧が覆っているので水分補給はばっちりです。
モンテベルデには“スカイウォーク”とよばれる吊り橋がかかっています。もともとは研究・
観察のために作られたもので、今では他の国でも同様の吊橋を見かけるようになりましたが、それを一般向けにエコ・ツアーに取り入れたのはコスタリカが初めてです。トレイル(地面)を歩いている時には見られない植物に出会えるだけではなく、まるでぼんやりと霧がかかる樹海の上を歩いているような気分になるので、神秘的なモンテベルデが感じられてオススメです。
コスタリカは、特産のバナナやコーヒーの生産額よりもエコ・ツーリズムによる収入の方が多いという、まさに観光立国です。モンテベルデだけではなく、内陸部にはたくさんの森が広がっていますから、国中が癒しスポットだらけ。この国に爽やかさを求めてたくさんの人がやって来るのも無理はありません。(高村)
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