世界の裏側で活躍する日本人の雄姿(ブラジル)
みなさんこんにちは。冷房vs扇風機の勝者はどっち?坂岸“冷やすならやっぱり水風呂派”茉莉です。
毎日毎日ブログの始まりが同じですが、昨日も東京は猛暑に見舞われました。しかもなぜか昨日はユーラシア旅行社の本社社内も、「今日からエコを考えクーラーは28度?」と思ってしまう程暑く、団扇を手放せない人も多かったようです。なぜか空調がうまく効かずに、伝統ある砂防会館の、座っているだけで汗ばむような社内で働きながら、残暑を想いました。実は、現在私の部屋の冷房も故障中。毎晩窓を全開にして寝ています。そんな中で得たものは、蚊に刺され、いたるところが赤く腫れた可哀想な肌と、懐かしい「暑さ」でした。
汗ばみながら時々そよぐ自然の風が気持ち良く、外から聞こえる鈴虫たちが夏の終わりを告げる、そんな懐かしい「暑さ」を感じたのは、ブラジル・アマゾンです。
本日はアマゾンから始まり、地球の裏側アマゾンに生きる私が出会った日本の方々のお話を致します。
アマゾンの気候は、決して日本人にとって過ごしやすいものではないでしょう。雨季と乾季に1年の季節は2つに分かれ、雨季はスコールのような雨が降り、気温は上がり、湿度は90%以上。乾季と言っても、赤道に近いため30度を超える暑さが続きます。しかしそんな「過酷」と言っても過言ではない土地を開拓してきた日本の方々がいます。
1908年6月18日、黒煙と汽笛を挙げて移民船「笹戸丸」がブラジルのサンパウロ州の港に到着したそうです。初めて異国の地を踏んだ800人もの日本人。それが、民間会社の募集に応募したブラジル移民の第1号船でした。その後、日本政府がブラジル移民を国募として強化したこともあり、約18万人の方が太平洋戦争前にブラジルへ渡ったそう。その後、海を渡った日本人は家族を増やし、現在ブラジルは、約130万人の日系人が住む世界一日系人が多い国です。
サンパウロは2008年に、日系人移民100周年の記念式典を祝っていましたが、本日の
冒頭に出しましたアマゾンの首都マナウスはその年、日系人移民80周年の記念すべき年でした。アマゾン周辺のガイドさんには、そんな日系1世の方が多く活躍されています。私が出会ったガイドさん達は、アマゾンの話はもちろん、自身の移民当時の話を何度か語ってくれました。
>「日本の横浜から船が出港して、ラジオで美空ひばりを聞いていたんだ。日本から徐々に離れて、御嬢(おじょう)の声がラジオから聞こえなくなった瞬間に、私は日本に別れを告げました。30日以上の長旅がそこから始まったんだよ。」
>「どんなに肥沃な土地を渡されるかと思ったら、そこは熱帯特有の樹木が生い茂るジャングル。ここを、どう農地開拓すれば良いのか、始めは途方にくれていたよ」
>「マラリヤ?そりゃもちろんかかったよ。みーんなかかった!」
>「戦後の貧しい日本ではなく、ブラジルの成功を夢見た親に連れられた外国に来た。しかしその後、日本の方が先に朝鮮特需、高度経済成長期で豊かな国に発展した。元同級生が立派な背広を着た写真を送ってくれたときは、悔しかったなぁ」
>「初めて、初めてアマゾンでトマトが実になったときは、涙が出たよ。」
>「私は、自分の体験談を苦労話として話しているつもりはないんだ。今も良い思い出だし、後悔はしていないよ。」
上記のような、印象的な言葉をたくさん貰いました。福岡や熊本、沖縄など南方出身の方が多く、元炭鉱夫の方も多かったようです。言葉遣いもとても丁寧、私達以上に日本人であることに誇りに想い、日本人として生きていることを感じさせられます。
彼らはデカセギとして、到着した当時は一文無しに近く貧しかったにも関わらず、私が会ったガイドさんのお子さんは、サンパウロの大学医学部で勉学に励んでいるそう。さすが、日本人。彼らは移民後、多くの信頼と信用をブラジルで勝ち取ったようです。私は、何故かとっても感銘を受け、日本に帰国後に「南米日系人の光と影」という書籍を読みました。現代の日本は、出稼ぎ移民が毎年増え続け、不法滞在者、外国人労働者が増え続けていますよね。私は日本は「移民」を受け入れる側の国だと思い込んでいました。しかし世界の裏側で、日本を後にした日本人が100万人以上居たんです。
そういえば、私のブラジル人の友人の名前にも「NAKAO」や「SASAKI」と苗字の1つに日本の姓を持つ子が数人います。数字すら日本語で言えるか言えないかのレベルですが、彼らにも確実に私達と同じ日本人の血が流れているのですね。「カニカマはブラジルでもKANIKAMAと言うのよ!日本人が持ち込んだ文化だから!」と嬉しそうに話していた友人を思い出します。そんな事を考える度に、ブラジルとの精神的距離が縮まっていく気がします。(坂岸)
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