2000年の時を繋ぐラブメッセンジャー(ナミビア)
みなさん、こんにちは。私ももうすぐウェルウィッチア、坂岸“裸子人間”茉莉です。
先日、ナミビアの添乗から帰国致しました。冬のナミビアは思ったよりも寒く、朝は5度以下にもなりましたが、連日晴れ渡り、砂漠にもヒンバ族にも出会えた素敵なツアーとなりました。
ところで、今回のツアーでお客様から聞いた声で驚いたことがありました。
「ウェルウィッチアは醜くて、こんな植物の写真を見ても、ナミビアに行く気にはなれない!」とのこと。営業側の私としては、とっても驚き桃の木山椒の木でございました。
私とウェルウィッチアという植物の出会いは、大学生の時。大好きな靴のブランド名が「ウェルウィッチア」だったのです。ウェルウィッチアとは何だろう・・・そんな疑問から始まりました。店員さんに聞くと、「アフリカの植物の名前で、樹齢が何千年にも及ぶ、すごい植物ならしいですよ。」とのこと。
見てみたい!
そんなことを思いながら、学生時代を過ごしたのを覚えております。そして、我らが秘境チームが扱う代表国「ナミビア」にそのウェルウィッチアは生息していると入社して知りました。
少し、ウェルウィッチアの紹介から致します。
ウェルウィッチアは、サバクオモトという和名、そして奇想天外という園芸名を持つ植物で、世界三大珍植物とも言われるほど、変わった容姿、そして変わった生態をしている植物です。なんと、世界一乾燥をしているというナミブ砂漠付近とアンゴラにしか生えていないらしく、雨も降らないにも関わらず、少ーし、湿った海霧の水分を葉っぱの気孔から取り入れ、長いものですと2000年も生き続けるのです。
キリストが生まれたころから、全ての歴史を沈黙で見続け、今もなお、その砂漠に根を下ろす、そんなロマンチックな植物なのです。
しかしながら、容姿はグロテスク、枯れたように茶色で、葉は伸びきり、あんまり魅力的で
はございません。やはりナミビアのパンフレットなどで、私たち営業としては、想いを込めてウェルウィッチアの写真を使用するのですが、初めて見たお客様は、「なんてグロテスクな!」という印象しか持たないようです。それもその通りですよね。今回のツアーでは、その魅力を知って頂こうと、ガイドを通して力説してまいりました。伝わったでしょうか・・・。
ウェルウィッチアには、被子植物と裸子植物の半分半分を持ち合わせた不思議な植物で、ラブメッセンジャーが受粉させるのです。受粉?虫?と考えると、蜂をイメージされるかと思いますが、なんとウェルウィッチアは真っ赤な地を這う虫が、受粉を代理していました。雄株も雌株も、離れたところに生えているにも関わらず、小さな小さなラブメッセンジャーが、愛を結びつけているのです。なんだか素敵じゃありませんか??
人口密度が、世界で2番目に低い国ナミビア。たった200万人の人口です。そんな人がいない国ですが、私は今回も素敵なウェルウィッチアとの出会いに歓喜してまいりました。
是非、世界一美しいと謳われるナミブ砂漠やヒンバ族だけではなく、このウェルウィッチアも見に、ナミビアに訪れてみて下さい。京都にある植物園では2004年に大切なウェルウィッチアが盗まれてしまったそうです。そんなことをしなくても、ナミビアでは沢山何千年もの時を超えて、孤高に生きていましたよ。(坂岸)
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