放置する美学。それがアメリカ国立公園
高校生だった坂岸茉莉は、家族と共にアメリカの西部国立公園を旅をしました。
その時に訪れたイエローストーンとアーチーズ、現地で案内を御願いしたガイドさんに聞きました。
(アーチーズのバランスロックを見て:左写真参照)
「この石、落ちそうですね。バランスロックという名前が付いているぐらい、観光名所になっているのに、落ちてきたら困りますね。クレーンを使用して直すんですか?」
(ガイドさんが首を振りながら)
「いいえ、落ちてきたら放っておきます。決して人間の手を加えません。」
そうなんです。ご存知の方も多いと思いますが、国立公園は「自然のままに」という概念で
成り立っています。人間の手を加えずに、自然の生態系を見守る、それが人間が行って良い唯一の観光方法、かつ運営方法だそう。せっかくの観光地なので、落ちたら直すのが通常ですが、放っておいて、また長い年月がたっていきます。
またこんな事もありました。
(イエローストーンの山火事後を見て:左写真参照)
1988年、世界で最初の国立公園イエローストーンで大きな山火事が発生したそうです。猛暑や水不足、乾燥が原因だそうですが、その山火事によりなんと国立公園総面積の約36%を消失したという説明を受けました。
「この山火事は食い止めることは出来なかったんですか??」
「いいえ、放置したのです。」
上記の答えには、高校生だった私には驚愕でした。
山火事は自然のサイクルの中で必要な要素だと考えられているそうなんです。山火事の焼け野原の跡が、草原となり、新しい生命が生まれていく、そんな話をレンジャー(ガイドさん)から聞かされました。
アメリカの国立公園は、形も美しく、地形や紋様を見ているだけでもとても面白く感動します。しかし国立公園の成り立ち、歴史、そしてポリシーを知ることにより、アメリカの「自然への敬意」を感じるのです。是非、国立公園を訪れた際は、そんな、国立公園のポリシーにも注目してみても面白いですね。(坂岸)
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