アフリカ・マサイ族の家にエコを想う・・・
みなさん、こんにちは。エコはエゴなり、エゴもまたエコなり、吉枝“エコな暴走特急”健一です。
さて先日来月の月刊誌「ユーラシア」にて文章を書いたのでそれを転載したいと思います。
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テーマはマサイの家です。
一面草原が広がる壮大な風景が続く東アフリカのサバンナ。ケニアからタンザニアにかけては、言わずと知れたライオンやキリンなど様々な野生動物が生息している動物王国である。この辺りでは、動物はもちろんケニア・タンザニアの国境を気にせず往来しているのだが、同じように国境を気にせずこの草原で暮らしてきた部族がいる。マサイ族である。今国立公園や保護区に指定されている場所の多くはもともとマサイ族が放牧をして暮らしてきた場所だ。
村を訪ねると、マサイの人達がこの大自然の中で生き抜く知恵を結集した生活にまず驚く。マサイ族は牛を神聖なものとみなす。牛は村における貨幣価値そのものであり、彼らは牛のミルクや血をそのまま飲んだりする事で必要な栄養分を採る。それゆえ、その牛や家畜を守る為に家には工夫がされている。通常一つの家は、アカシアなどの木組みの家に牛糞と泥を混ぜ合わせたものを塗りつけられている。これは捏ねると粘土状になり雨を通さないのだそうだ。この家を円状に配置し、その外側に木の柵で囲うのが伝統的スタイル。そして夜はその円の内側に昼間放牧している牛や家畜を入れておく。これは他の猛獣から大事な家畜を守る為なのである。またマサイの人々は、火起こしも手作業だ。木をこすりあって火を起こす。実演してもらうと、毎日やっているだけあって、あっという間に煙が立ち、火が起こった。また薬はサバンナに生えているアロエやハーブ類を利用し、歯磨きさえ丁度ハブラシになる木の枝を使う程である。また水分を吸収しやすい葉があり、これはマサイのタオルだと説明しながらペタペタ汗を拭いていた。そして家畜が食べる草が無くなるとまた移動するという、全ての生活が自然のサイクルの中で営まれている。
今では動物の狩猟が法で禁止され、政府の定住化政策が進み、放牧を生業とする伝統
的な生活を続けるのは難しくなっていると聞くが、生きる知恵が結集された伝統的なマサイ族の家を訪ねた時、彼らにとっては当たり前の生活が、我々には逞しさに映る。自然とうまく調和するマサイ族の暮らし。エコという言葉が氾濫する現代こそ学ぶことは多いのではないかと思う。
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