J.エドガー・フーヴァーとFBIあれこれ
エドガー・フーヴァーはFBIの初代長官にして半世紀にも渡り(着任してから死ぬまで)その座を保持した人物。そもそも「FBI」という言葉、映画やドラマではお馴染みで「なんか普通よりエライ警察」みたいに勝手に思っていた私ですが、FBI=「連邦捜査局」とは司法省に属する法執行機関で、テロ・スパイなど国家の安全保障に関わる公安事件や複数の州に跨る広域事件などを捜査するのだそうです。日本で言えば、検察庁の特別捜査部や各都道府県警察の公安部などが同じような任務にあたっているとか。(この辺の情報はウィキペディア先生より)世界60カ国以上の米国大使館にもFBIの駐在官が常駐し、もちろん東京のアメリカ大使館にも駐在官が3班体制で常駐しているのだそうです。ちなみに「Gメン」という言葉、日本のドラマでも「麻薬Gメン」とか「万引きGメン」なんて使いますが、これはFBIの特別捜査官、通称Government Manに由来します。FBIの捜査官は「警察」ではなく「Government Man」=政府の役人、という位置づけなんですね。
今ではこんな巨大組織であるFBIですが、フーヴァーが長官に就任した頃、(1924年)のFBIは予算もなく重要視されていない弱体官庁で、彼はそれを改革し、卓越した諜報能力を持つ機関に作り上げ、そして彼自身もその諜報能力を武器に、「大統領に恐れられた男」となったのです。「フーヴァー・ファイル」と呼ばれる彼の秘密ファイルに閉じこまれたスキャンダルにフーヴァーの在職期間に入れ替った8人の大統領や政治家達は震え上がったとか。華やかな業績とその思想や方法に批判も当然ながらあるフーヴァーですが、指紋を使った捜査や図書館のカードを使った検索システムなどの機密のファイリング方法など、現在の私達にとって馴染み深いジャンルでの功績もあったようです。
まだ日本で公開したばかりなので、観るかどうか迷っている人もいるかもしれませんね。決して固い歴史モノというわけではでなく、私は人間ドラマとして楽しみました。私に知識が全くなかったので、こんな人や時代もあったんだ~という新鮮な興味深さもあったのかもしれません。晩年のフーヴァーを演じるディカプリオの変身ぶりも見る価値ありますよ、きっと。(最初誰か分からなかった私です…)
現在、FBI本部は、ワシントンD.C.のペンシルベニア通り935番北西、その名もジョン・エドガー・フーヴァービルディングに所在します。(長崎)
映画「J.エドガー」の公式ホームページはこちら
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